以前の記事で書いたように、切削加工は金属の工具で鉄鋼を加工する工法と説明しました。この切削加工には「工具が回転」「加工物(ワーク)が回転」の2種類の方法があります。その中でも「ワークが回転」の加工方法を旋削加工と言います。この旋削加工で使用する加工機を旋盤と呼び、一般的にも広く知られている加工機です。ではどうぞ
旋盤の構造
1.1主軸
主軸と呼ばれる部分にチャックがついています。このチャックは三つ爪チャックと呼ばれ、120°ピッチの3つの爪でワークの外径または内径を把握します。このチャック部と主軸は一体化しているため、主軸が回転するとチャックが掴んだワークが回転します。
1.2刃物台、バイト
刃物台には複数個のバイトと呼ばれる旋削加工の工具(刃物)を取り付けます。この刃物台自体がXY方向に動く機構があるため、加工したい形状に合せて、刃物台とバイトを動かします。なお、バイトにはいろいろな種類がありますが、一般的に普及しているのはホルダとチップが別々になっているチップ交換式のものが多いです。これは工具が損傷、摩耗した際、損傷したバイト先端部分だけを変更するだけで工具の切れ味が一新される仕組みとなっています。このバイトの先端部分が交換式のチップになっていて、180°反対側も同じ刃になっているので、ひっくり返して使用できるものや、刃が8面使用できるものもあります。
1.3芯押し台
この芯押し代の使用方法には大きく2種類の使用方法があります。
「加工物の中心に穴を開ける」
図のとおり、芯押し台にドリルチャックを取り付けることができ、このドリルによって加工物の回転中心に穴を開けることができます。ここで間違えてはいけないのは、穴は加工物の中心にしか開ける事しかできません。理由はドリルが回転するのではなく加工物が回転することで穴を開けるからです。加工物の回転は主軸を中心に回転するので中心からドリル中心がズレていると、ドリルが相対的に回転することにはならないですからね。
「加工物の中心を位置決めする」
センタと呼ばれる先端が円錐の棒状のものを加工物端面の中心のセンタ穴に差し込むことで加工物の中心を位置決め、支持することができます。これによりセンタ穴と加工物との中心の同心具合が安定します。
加工できる形状
- 外径面
- 内径面
- 端面
- ねじ切り
- 面取り
- 切断 などが加工できます。
まとめ
- 旋削加工は加工物を回転することで加工を行う。
- 旋盤は「チャック」「刃物台」「芯押し台」から構成されている。
- 刃物台にバイトを取り付け、刃物台をXY方向に動かすことで加工する。
- 芯押し台は「穴を開ける」「位置決めをする」ことを目的としている。
旋盤加工は話すことが多いので、2回に分けて記事にしたいと思います。
以上です。
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