製造業、サービス業をしている人であれば、ほとんどの人が耳にすること「ISO9000」。わたしも社内の説明会、社外講習を聞きましたが、イマイチわからない。そんな同じ境遇の人たち向けに「そもそもなんなの?」が解決できるような内容になっています。「わけがわからないよ」って人向けなので詳細は省いていますが、ISO9000知ったかぶりしている人達の言いなりにならないレベルにはなるとは思います。では、どうぞ。
ISOというのは国際標準というのを表しています。標準というのは辞書で調べると「判断のよりどころや行動の目安となるもの」であり、ISOもまさにこれと同じになります。ということで、ISOは「世界的に共通する目安」という理解をしてください。
次に9000ですが、これはどの分野の目安であるかを番号で示し、9000は品質マネジメントシステムを表しています。「品質マネジメントシステム」ってなんやねん。って感じわかります。自分も同じです。順を追って説明すると、ここで示す「品質」とは
「書き味が滑らかなペン」
「とんでもなく軽いくつ」
「2人で暴れても壊れない椅子」
とかではなくある要求事項を満たしていれば、品質が良いと判断されます。
この「ある要求事項」とはお客さんが要求するものを指します。
そのため「品質がよい、悪い」というのはお客さんが決めることであって、自分たちが判断するものではないというのが基本的な考え方になります。
「マネジメント」は管理、監視などを示し、
「システム」は仕組みを示していますので、
まとめると、、、
ISO9000は
「お客さんが満足するものを生み出す管理の仕組みに関する国際的な目安」になります。
この満足する「もの」とは製品、商品だけではなく、ソフトウェア、サービスなども含みます。少しはわかったのではないでしょうか?
え!わからない?会社では規定を読めだの、小難しい規則やルールを守れだの、ハンコがないとか、ぜんぜんやってることと違うじゃんって思います?
実はその通りです。
本質的なことができていれば細かなルールを作る必要がないんです。またお客さんが満足してくれればなんでもOKってことになります。しかし、組織にはいろんな人がいるため、それを管理する必要があるためルールを作っているんですね。このルールってのがめんどくさいのですね。
2.誰がそれをきめるの?
ISO9000は外部機関が承認審査を行い、認定をもらうことになり、この認定はISO9000という資格?免許?のようなものになります。この認定を得ることでお客さんに対して
「あー満足するものを生み出す仕組みのある会社なんだなぁ」
という安心感を与えます。
そのため、会社の看板、パフレット、名刺などにISO9000取得など記載されているのですね。
さて、この免許をもらうために審査を受けることになるのですが、この審査内容というのがISO9000の要求事項というものになります。
「あーこの辺りからぜんぜんわからなくなってきた」って感じですよね?
3.要求されることって?
ISO9000の要求事項というものがあります。この中にはISO9000が要求する項目がいくつもありますが、内容が抽象的で例えると日本国憲法みたいなものです。この抽象的な要求事項をより具体的に自社の内容に合わせてルールを定めたものが「規定」「品質マニュアル」などと言われるものです。
「なに?自分(自社)でルールって決めてよいの?」
その通り!いいんです。
ただし、ISOの要求事項に適合していることが大前提ですが、、、、
「ISOさんが決めたルールだから、守らなければならない」
「ISOさんが決めたルールだから、変えてはいけない」
「ISOさんが決めたルールだから、ルールが間違っていると言ってはいけない」
と勘違いしている人が多いと思いますが、違います。
抽象的なISO9000の要求事項を満たしていれば、自社のローカルルールは時代や状況に応じてどんどん変えてもよいのです。むしろISOさんはPDCAを回せっと言っているくらいなのでルールを変更することを推奨すらしています。
4.で結局、要求事項ってなに?
要求事項をすべて説明するとながくなってしまいますので、、、、
簡単に言うと
※ リーダー(品質管理責任者、経営者)! 品質目標をきめろ! ↓ 下々達!その目標を達成するために計画を作れ! ↓ 計画通りできているか監視しろ! できていない場合はなぜできていないかを分析して、計画を作り直せ! ↓ 目標が達成できているか?確認しろ! その目標達成によって、お客さんは満足しているか?確認しろ! ↓ 目標が達成できていないなら、計画を考え直せ! お客さんが満足しているか?してないなら、目標を見直せ! ↓ おいリーダー! 部下の検討結果を評価しろ! ↓ ※ 繰り返し
「はあ?これだけ?ただのPDCAじゃん」そうです。ほぼこれだけです。このルーチンを滞りなく回すためのこまかな要求事項がありますが、基本はこれだけです。そうなんです。小難しいことは特になくシンプルなんです。しかも、これは品質に限った話ではなく
「お客さんが満足すれば売上が上がる。売上が上がれば、従業員も満足する」
といった経営そのものなんです。
5.まとめ
・ISO9000は「お客さんが満足するものを生み出す仕組み」のことである。
・品質は「お客さんが満足するもの」であり、自分達で品質の良し悪しは判断しない。
・ISO9000からの抽象的な要求事項はあるが、基本にルール(仕組み)は自分たちで定める。
・要求事項はお客さんが満足できるようにPDCAを回すことである。
どうでしたか?これを読む前と後で、印象は変わったでしょうか?私自身、ISOをほぼ理解してなく、言われたからやるって感じでした。しかし、いろいろと調べていくと「お客さんのため」であり、自社のためであったことに気が付きました。なので、自社のためでもお客さんのためでもないISOのルールであれば、必要ないですね。
以上です。
コメント